メダカは江戸時代から飼育が親しまれてきた庶民の魚
メダカは、初心者でも手軽に飼育できる小型の淡水魚で、日本では江戸時代から庶民に飼育が楽しまれている魚です。
今では品種改良が進み、背中が光る「みゆきメダカ」や緋色が美しい「楊貴妃」など、様々な品種が誕生しており、その美しい色合いや泳ぎ姿は多くの人に愛されています。
しかし、いずれのメダカ品種も生物学的にはOryzias latipesという1種の魚です。アルビノやヒレ長など特種な品種の場合は注意しなければならないポイントはありますが、基本的にはどの品種も飼育方法は同様でOKです。
飼育方法を誤ると、メダカがストレスを受けたり、病気になったりしてしまうことがあります。ここでは、メダカを飼育する際に押さえておきたい基本的な飼育方法、飼い方について解説します。
水槽の選び方
メダカを飼育するためには、まずはもちろん水槽など水が入る容器が必要です。
メダカは桶や甕、たらいなどで飼育されることがありますが初めて飼育する場合は水槽をおすすめします。
水槽のメリットは横から観察できることにあります。卵を付けているときも水槽のほうが素早く気付くことができます。
痩せていたり、奇形になっていたり、泳ぎ方がおかしかったりとメダカの状態異常の観察も水槽のほうが便利です。
水槽の容量は、1匹あたり2リットル以上の容量を用意しましょう。室内の水槽で飼育する場合、フィルター(ろ過器)を設置してあげましょう。
メダカは弱い水流を好むため、水槽には弱めのフィルターを設置し、水の循環を行うことが重要です。
バクテリアと水の循環
メダカの飼育をする際、本やネットなどで勉強すると「バクテリア」や「ろ過細菌」という言葉が出てくることがあります。
これらはメダカから発生した水中の有害な物質を分解し、メダカにとって害のない物質に変える役割を担っています。
具体的には、アンモニアや亜硝酸、硝酸塩などの有害な物質を分解することで、水質を維持する役割を持っています。
「バクテリア」や「ろ過細菌」は、主に2種類の細菌が関与しているといわれています。
1つは、アンモニアを亜硝酸に変換するニトロソモナス属の細菌です。もう1つは、亜硝酸を硝酸塩に変換するノトロサモナス属やニトロバクター属の細菌です。
これらの細菌はフィルターや濾過材、容器の壁面、そして水中に存在しています。
メダカの飼育を始めたばかりの場合、これらの細菌はまだ十分に存在していないため、アンモニアや亜硝酸といった有害な物質が水槽内に増えていってしまいます。
そのため、フィルターを稼働させたりすることでこれらの細菌を繁殖させて、水質を維持する必要があります。
ろ過細菌は、アクアリウム内の生態系に欠かせない細菌の一種であり、水中生物の健康に重要な役割を果たします。アクアリウムを維持するためには、ろ過細菌が繁殖し、水質を維持することが不可欠です。
フィルターの選び方
メダカを飼育する際には、フィルターの選び方も重要です。フィルターによって、水槽内の水をきれいにし、先ほど解説したろ過細菌の生育環境を整えることができます。
フィルターは基本的に電気式のため、電源がある場所でないと稼働することができません。外で飼育する場合にはフィルターを設置できないため、その分飼育するメダカの数を減らしましょう。
初心者がメダカの飼育に利用するフィルターの種類には主に以下の3つがおすすめです。
投げ込み式フィルター
- 水槽に直接入れて設置するコンパクトなフィルター
- エアリフト式と呼ばれることもある
- 設置が簡単で初心者にもおすすめ
- 設置にはエアポンプが必要
- 一般的には45cm以下の小型水槽に使用される
- 価格が安い。水槽セットに付いてくることもある
外掛け式フィルター
- 水槽の外に設置するフィルター
- 水中または外にあるモーターで稼働する
- 濾過効果が高く、濾材の種類も豊富
- 水槽内のスペースを取らず、手入れもしやすい
- 投げ込み式よりも水流が強め(水流は調整可能な機種も多い)
上部フィルター
- 水槽の上部に取り付けられるフィルター
- モーターで水を上部のろ過槽に汲み上げて循環させ、不純物を取り除く
- 水槽内の景観を損なわず、フィルター本体を隠すこともできる
- 手入れが簡単
- サイズが大きい。30cm以下の小型水槽には不向き
メダカ飼育で一番手軽で扱いやすいのは投げ込み式フィルターです。しかし、エアポンプを使うためエアポンプの音がうるさい場合があることや、外見はあまり良くないことなどがデメリットになります。
フィルターの選び方は、水槽の容量やメダカの数によって変わってきます。また、フィルターの中に入っているウールやセラミック製の「ろ材」は定期的な交換が必要です。
ろ材の交換時期は、メーカーが推奨する時期に合わせて交換を行うようにしましょう。
水替え
水槽などの容器の水替えは、健康なメダカを飼育において非常に重要です。一番大事な作業といっても過言ではないかもしれません。
水替えを行うことで、水質を改善し、メダカが健康的に成長できる環境を整えることができます。
水替えの頻度と量
水替えの頻度は、水槽の大きさやメダカの数、餌の量や頻度によって大きく異なります。
一般的には、週に1回から2回程度の頻度で、容器の1/3~1/2の量を水替えすることが推奨されています。
ただし、水槽内の水質によっては、水替えの頻度を調整する必要があります。水槽内の水の色が濁っていたり、異臭がする場合は、早めに水替えを行う必要があります。
初めてメダカを飼うときは白濁りに注意
はじめてメダカを飼育する際は、ろ過バクテリアがじゅうぶんに繁殖していないため水が白く濁ることがよくあります。
白濁りは非常に危険な状態です。餌の量は控えめにして、白濁りがなくなるまで毎日1/4程度、頻繁に水替えを行いましょう。
水替えの方法
水替えの際には、まず水槽内の水を半分程度抜きます。その後、新しい水を注いで、水槽内の水質を改善します。
水温や水質の違いによって、急激な水温変化や水質変化が起こることがあるため、新しい水を加える際には、徐々に加えるようにすると良いでしょう。
水替えを行うことで、水槽内の水質を改善し、メダカの健康維持につながります。また、水槽内のバクテリアのバランスを整えることもできます。
しかし、水替えが過剰になると、水槽内のバクテリアが破壊され、逆に水質が悪化してしまう場合があるため、適切な頻度で行うことが大切です。
水替えに加えて、定期的にフィルターの清掃や交換、水槽内の砂利などの掃除を行うことで、メダカの健康維持につながります。健康な環境を整えて、美しい泳ぎ姿を楽しむことができるでしょう。
必ずカルキ抜きを使おう
メダカの水替えをする際に、水道水に含まれる塩素が問題になることがあります。
塩素は消毒のために添加されているもので、人間が水道水を飲んだり料理をする際には問題ありませんが、メダカのような水生生物にとっては適切な水質ではありません。
そこで、水替えをする際には、カルキ抜き剤(以下、カルキ抜き)を使用します。カルキ抜きは、水道水に含まれる塩素を除去し、水質をメダカに適した状態に整えることができます。
カルキ抜き剤は、市販されているものを使用することができます。使用方法は、水槽に入れる水道水に適量のカルキ抜き剤を加えてから水槽に入れるだけです。
カルキ抜きは最近では100均でも手に入れることができます。液体タイプと固型タイプがあり、固型タイプは「ハイポ」という名前で販売されていることもあります。
カルキ抜きを使用する場合には、必ず使用方法や量を守るようにしましょう。
メダカの生体の選び方
メダカを飼育するにあたっては、できるだけ健康的な個体を選ぶことが重要です。
以下に、メダカの生体の選び方についていくつかのポイントを紹介します。
健康な個体を選ぶ
メダカを購入する際には、健康状態を確認することが大切です。
健康な個体は、明るく活発に泳ぎ回り、体表に異常がないことが特徴です。
病気やストレスによる影響を受けた個体は、元気がなく泳ぎが鈍く、体表に傷や白点があることがあります。購入前に、個体をよく観察して、健康な個体を選びましょう。
品種を選ぶ
メダカには、さまざまな品種があります。品種によって、体型や体色が異なるため、自分が好きな品種を選ぶことができます。
細菌は1ペアで数万円という超高級なメダカも登場していますが、そういった高級品種は近親交配が進み飼育自体も難しい傾向があります。
まずはメダカの飼育と繁殖を楽しむために、ヒメダカや白メダカ、楊貴妃、みゆきメダカなどメジャーな品種を選ぶことをおすすめします。
飼育環境に合わせた品種を選ぶことも重要です。たとえば、アルビノ種は明るすぎる環境には適していないという説がありますので、屋外で飼育するのを避けるなど、環境に合わせて品種を選びましょう。
年齢を選ぶ
メダカの寿命はせいぜい2年程度です。年齢が高い個体は、病気にかかりやすくなることがあります。
あまり大きすぎる個体は残りの寿命も短い可能性があります。2cm程度の若い個体を選ぶことをおすすめします。
販売店を選ぶ
メダカを購入する際には、信頼できる販売店を選ぶことが大切です。
弱っているメダカや死んでいるメダカが展示されているようなお店では購入を避けましょう。
今ではメダカの通販も充実していますので、通販で入手することも選択肢のひとつです。
最後まで責任をもって飼育しよう
一度あなたのおうちにお迎えしたメダカは、必ず責任をもって最後まで飼育しましょう。近くの川や池に放流するなんてもってのほかです。
飼いきれなくなったメダカを放流することは、生態系に対する深刻な問題を引き起こす可能性があります。
飼育する際には、水槽の適切な大きさの選択や、水質の維持、餌やりの適量、定期的なメンテナンスなど、適切な管理が必要です。
メダカを手放す場合には、譲渡先を探すなど、責任を持って処理することが大切です。
まとめ
- 水槽選びと設置:メダカの飼育には適切な水槽と設置が必要です。1匹あたり2リットル以上の容量を用意し、水槽内にはバクテリアの生育環境を整えるためにフィルターを設置しましょう
- 水質の管理:水質管理はメダカ飼育の最も重要な要素の一つです。水替えは週に1〜2回行いましょう。水の入れ替えの際には、水道水にカルキ抜きを使用することも大切です。
- 健康な個体を選ぶ:初心者はメジャーな品種を選ぶことをおすすめします。若い個体で、体表に異常がなく、元気に泳いでいるものを選びましょう。
- 生涯飼育:メダカは、必ず責任をもって最後まで飼育しましょう。生態系の攪乱をもたらす場合がありますので、近くの川や池に放流することは絶対にやめましょう。
